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怒りの裏側

  • Posted by: 管理者
  • 2010年1月13日 03:55
  • family

お正月にセカンドオピニオンに母を連れて行った話を書いた。

 

今の病院にはセカンドオピニオン外来というのが作ってあり、
WEB上から申し込むことができる。
知人が乳がんのことで調べて教えてくれた。

母のがんは進行が早いらしく、
主治医が『今のままでは・・・』と母に相談したことをきっかけに
今回の受診へとつながった。

セカンドオピニオンに向かう母はとても元気だった。
藁をもつかみたい思いなのだろう、
セカンドオピニオンにすごい期待を寄せているようだ。

 

 

病室に呼ばれ、部屋に入って行くと
ドクターは挨拶もそこそこに
『何が聞きたいのですか?』と訪ねてきた。

母はここに来るまでの経緯を話しだしたが、
話が終わるか終らないかのうちに
母の言葉にかぶるように
『何が聞きたいのですか?』と強い口調でもう一度同じ質問をした。

見兼ねた私は横から口を出して話をしたが、
予約していた1時間は必要なかったようで、
35分程度で終了。
身体を見るでもなく、顔を見て話を聞くわけでもなく、
決して心ある対応ではなかった。

 

母は明らかにショックを受けているというか・・・
傷ついていた。
私も残念で仕方なかった。

お話ししていただいたことが
今までの治療の仕方となんら変わらなかったことは納得するが、
ドクターの態度にはがっかりした。

 

お忙しいのかもしれない。
そんなにセカンドオピニオン外来が面倒なら
うけなければいいのに。。。
病院側がやりたい方向性と違うのであれば
同意していないドクターはやらなければいい。

などとその真意を探りたくなるような態度だった。

 

アメリカ帰りの最先端のドクターかもしれないが
話を聞くときは人の目を見て聞くのは
幼稚園の時に学習することではないだろうか。

 

 

やり場のない悲しみに覆われ、
それは怒りに変わる。

怒りの裏には必ず悲しみがある。

 

今回の悲しみは過剰な期待の裏返しだろうか?!
治療法が限られているのは納得している。
魔法のように癌が消える!などと思って来たわけではない。
母のがんの治療の限界という悲しみを
ドクターの態度に転嫁しているわけでもない。

 

 

治療以前の問題だと思う。

 

 

人としての会話。
時間の問題。
ドクターにとっては癌は日常のこと。
私達にとっては母のがんは人生で初めてのこと。

 

学ぶことが多かった。

プロとして、
コミュニケーションというものについて、
癌の母を持つ娘として、
一人の人間として・・・


ここでの悲しみと怒りは
決して忘れたくないし、忘れてはいけないし、
実際、一生忘れないと思う。
うなだれて帰る母の背中と共に。

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